犬や猫のペットも人間と同じようにガンになる事はあります。
もし、飼っているペットがガンにかかってしまったら、どんな治療をしてあげればいいのかを悩む飼い主さんも多いでしょう。
今回はペットのガン治療の中でも免疫療法に焦点を当てたお話しです。
「免疫療法の内容、メリットやデメリット、費用など」免疫療法の詳細を、まねき猫ホスピタルの石井 万寿美 院長にしていただきました。
石井院長はご自身のブログでもペットの栄養、育て方、ガンなどの様々な事を発信されていますので、こちらも参考にされてくださいね。
ペットガンの治療方法について
様々なガン治療がある中で免疫療法とはどのようなものか

ガン治療には様々な治療法があると思いますが、今回は先生が積極的に取り組んでおられます免疫療法を中心にお話しを聞かせてください。
免疫療法には丸山ワクチン、食事療法、サプリメント療法、重曹療法などがありますが、
その中で先生が特に注力されている方法はございますか?

元々は三大療法である放射線、外科、抗がん剤を行っており、放射線治療に関しては設備がないので、大学病院を紹介していました。ペットの放射線治療は人間ほど一般的ではなく、この近辺では大阪府立大学 動物医療センターもしくは三重県の方しかありません。
外科の方は取れるガンは取り除いて抗がん剤治療を行うというのが基本的な治療方法で、以前はそのような治療を行っておりました。しかし効果が感じられず、動物の病気を治すことが獣医になった動機でしたので、効かないとわかっている治療はしたくないという思いがありました。
もちろん可能な限り外科手術は行うのですが、抗がん剤は嘔吐や下痢、食欲不振といった多くの副作用が伴うので、もっと身体に優しい低侵襲性の治療法はないかと探している中で、免疫を正常に働かせてあげることによってガンが治りやすいのではないかという考えで免疫療法に取り組むようになりました。
獣医で免疫学をされている方は少ないので、免疫学の医師の元で丸山ワクチンの事や食事療法も別の医師から学びました。ただ、どちらも人間に対しての考えでしたので、全ての動物にあてはまるわけではないですが、その学びを獣医としてどのように動物に当てはめるかを考えながら治療を行っております。
他の病院との大きな違いは、免疫を正常に機能させることによりガンの治癒を目指すといった点ですね。



犬と猫とでは対処する免疫療法に違いはありますか?

あとは消化酵素ですが、犬は唾液にアミラーゼが含まれることに対し猫にはありませんので、肉以外のものを食べさせると色々な弊害が出てきます。そこで重曹療法を行うことになります。
ガンができる基礎は人間も動物も変わりませんが、猫に関しては人間と同じような食事療法は難しいと実感しています。

逆に犬に関しては人間と同じような食事療法なのですか?

免疫療法のメリット・デメリットについて


エポトーシスとはガン細胞が自ら壊死してくれる事です。多量の抗がん剤を使わなくても、身体の中からガンになりにくくしていくことによって、自ら壊死をしてくれるようになることが良い点だと思います。ただ、即効性を期待される飼い主さんもおられますが、気長に効果をみていただく必要があります。長く続けてもらうことで効果が実感できるかと思います。

飼い主さんからみて、免疫療法を始めるべきであろうと判断する時期や状態の目安はありますか?

しかし抗がん剤を投与すると免疫力が落ちてしまうので、腫瘍ができたなどの異常を感じたら、病理検査の結果が出る前にでも免疫療法を始めてもらいたいですね。副作用がほぼないので、効果的かと思います。


私も16歳の犬を飼っているのですが、肝臓が悪くなってからはほとんど手作りで食事療法をしています。
身体は食べたものでできていますよね。食事だけで病気を防げる訳ではないですが、人間と違い犬や猫は飼い主さんが与えるものしか食べることができないので、元気に長生きしてもらうためには気を付けてもらうと病気になりにくいですね。
治療にかかる費用について



飼い主ができることについて
ペットがガンになったとき飼い主に知っておいてほしいこと






何回か発情期がきてしまうと乳がんのリスクは高まるので、事前の避妊手術が重要です。
そしてネット社会である現代において、夜も眠れないほどに色々と調べられる飼い主さんも多いと思います。調べる事は大切なことではありますが、情報を得るための記事にも良し悪しがあるので、それを見極める目を持たれることですね。
また、やはり飼い主さんが否定的になってしまうと治りにくく、明るい飼い主さんであると治りやすいと感じています。愛するペットを思うと悲観的にもなるかと思いますが、極力ポジティブに考え、悩んでいるよりもすぐ行動するということが大切かと思います。


ガンになったペットの食事に関して気をつけることとは


石井先生のブログはこちらから
更にお話ししますと、ガン細胞の周りが酸性になっているとガン細胞が活発に動き、力を持って転移するようになります。つまり身体が酸性となっていると、いくら抗がん剤治療をしても周りにバリアを張っている状態となり、薬が届かないのです。
反対に身体をアルカリ性にするとガン細胞が不活発になりエポトーシス(壊死)が起きます。
酸性かアルカリ性かは尿のpHで判断するのですが、数値が7.5~8.0(7.0が中性のため)で、身体がアルカリ性でなっているという事なので、食事療法でその数値を目指していきます。抗酸化物質を摂取するなどの方法で基本的には身体をアルカリ性にし、ガン細胞を不活発にすることが大切です。
なにをもって食事療法かということが重要で、ガンにおいては身体が弱アルカリ性となることが目的ですが、肉を食べることにより酸性となります。これは人間も同様です。
そのため肉よりは魚、魚よりも適している大豆を食べてもらうことが理想的ですが、本来犬のようには大豆食品を与えられない肉食の猫に対しては、重曹療法を行いアルカリ性に変えていきます。
また、尿のpHが8.0以上になることも尿石が溜まる原因となるので、飼い主さんには毎日朝・昼・晩と数値を測定してもらい、7.5~8.0を目標に食事を与えてもらっています。

そのための重曹療法とは具体的にどのようなものですか?

一般的にガンの子は食欲不振なので点滴となるのですが、通院も大変なのでこれは家でも行えます。1日置きに必要な丸山ワクチンも基本的にご自宅で両方していただきます。



予防策、早期発見のためにできることとは


そして、なるべく手作りの食事を与える事です。食事は蓄積されるものなので、100%手作り食という訳にはいかなくとも、ペットフードに偏らず添加物の少ないものを与える意識をしてください。

ご家庭でできる範囲でどのようなことに気を付けてあげれば良いのでしょう?

小さなうちから与えることで慣れて、食べてくれるようになると思います。

では犬の食事は基本的には人間と変わらないのですか?


食事を見直して少しでもペットと一緒に入れる時間を伸ばしたいですね。
石井 万寿美院長お話ありがとうございました。
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